バルプロ酸を
飲んでいる方へ
併用できない薬・妊娠・肝臓
一緒に使えない抗菌薬があります
カルバペネム系と呼ばれる抗菌薬(メロペネム、イミペネム・シラスタチン、ドリペネム、ビアペネム、パニペネム・ベタミプロン、テビペネム ピボキシルなど)は、このお薬と一緒に使ってはいけない薬(併用禁忌)とされています。一緒に使うと、バルプロ酸の血液中の濃度が下がり、てんかんの発作が再発することがあるためです。
ほかの医療機関で受診するとき、入院するとき、抗菌薬が処方されるときは、バルプロ酸を飲んでいることを忘れずにお伝えください。
このほかにも、ほかのてんかんのお薬、アスピリン、ワルファリン、一部の抗菌薬や胃のお薬など、飲み合わせに注意が必要なお薬が多く添付文書に記載されています。新しくお薬が始まるときは、医師や薬剤師にお伝えください。
妊娠の可能性がある方へ
このお薬には、おなかの赤ちゃんに奇形を起こすおそれ(催奇形性)があることが添付文書に書かれています。妊娠する可能性のある女性に使うときは、医師がこのことを十分に説明したうえで、このお薬が適切かどうかを慎重に判断することとされています。
片頭痛の発作を抑える目的では、妊娠している方、妊娠している可能性のある方には使いません。てんかんや躁状態の治療では、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、妊娠している方、妊娠している可能性のある方には使わないこととされています。
妊娠を考えている方、妊娠が分かった方は、自己判断で中止せずに、できるだけ早く主治医にご相談ください。てんかんの治療で飲んでいる方が急にやめると、発作が止まらない状態になることがあるためです。授乳については、治療の利点と母乳で育てる利点の両方を考えて、続けるかどうかを相談します。
肝臓・膵臓の症状と定期的な検査
このお薬では、まれに重い肝臓の障害が起こることがあり、飲み始めて6か月以内に多いとされています。このため、飲み始めの6か月間は定期的に肝臓の働きを調べる血液検査を行い、その後も飲み続けている間は定期的に検査を行うことが望ましいとされています。腎臓の働きや血液の検査も、定期的に行うことが望ましいとされています。
また、血液中のアンモニアが増えて、意識がぼんやりするなどの意識障害が起こることがあり、定期的にアンモニアの値を調べることとされています。重い肝臓の障害がある方は、このお薬を使えません。
すぐに連絡してほしい症状
- 急に意識がぼんやりする(肝臓の障害や、血液中のアンモニアが増えたことによる意識障害のおそれ)。
- 激しい腹痛、発熱、吐き気、嘔吐がある(急性膵炎のおそれ)。
- 発疹と発熱に続いて、リンパ節の腫れなどが出てきた(過敏症症候群のおそれ)。
- 筋肉の痛みや、力が入らない感じがある(横紋筋融解症のおそれ)。
- せき、息苦しさ、発熱がある(間質性肺炎のおそれ)。
どれもまれな副作用ですが、気づいたときはすぐに医師にご連絡ください。薬を続けるかどうかは医師が判断します。
このほか、もの忘れや言葉が出にくいなどの認知症のような症状や、じっとしているときのふるえ、体のこわばりなどのパーキンソン病のような症状があらわれることがあり、お薬をやめると多くは回復すると添付文書に書かれています。ご家族がこうした変化に気づいたときも、主治医にご相談ください。
眠気と自動車の運転
眠気や、注意力・集中力が落ちることがあります。てんかんの治療で飲んでいる方では、運転してよいかどうかは医師が慎重に判断し、眠気などがあらわれた場合には、自動車の運転など危険を伴う機械の操作をしないよう指導することとされています。躁状態の治療や片頭痛の発作を抑える目的で飲んでいる方は、自動車の運転など危険を伴う機械の操作をしないこととされています。
自己判断で急にやめない
てんかんの治療で飲んでいる方が、飲む量を急に減らしたり、急にやめたりすると、発作が止まらない状態(てんかん重積状態)になることがあります。やめる場合も、少しずつ減らすなど慎重に行うことが添付文書に書かれています。調子が良いときも、自己判断で中止しないでください。
お薬の保管のしかた
デパケン錠は湿気を吸いやすいお薬です。飲む直前まで包装のシートから取り出さないこと、保管するときにシートを傷つけないことが添付文書に書かれています。取り出した錠剤は、シートごと飲み込まないようにしてください。シートを飲み込むと、食道を傷つけるおそれがあります。
お薬をやめたり、量や飲む時間を変えたりするときは、自己判断ではなく、処方を受けている医師や薬剤師にご相談ください。
Q. 入院して抗菌薬を使うことになりました。
A. カルバペネム系の抗菌薬は、バルプロ酸と一緒に使うと発作が再発することがあるため、一緒に使ってはいけないお薬とされています。入院先の医師や看護師、薬剤師に、バルプロ酸を飲んでいることを忘れずにお伝えください。
Q. 妊娠が分かりました。すぐにやめたほうがよいですか?
A. てんかんの治療で飲んでいる方が自己判断で急にやめると、発作が止まらない状態になることがあります。お薬を続けるか、どのように変えるかは主治医が判断しますので、できるだけ早く主治医にご相談ください。
Q. 定期的な血液検査は必要ですか?
A. まれに重い肝臓の障害が起こることがあり、特に飲み始めて6か月以内に多いため、その間は定期的に肝臓の働きを調べることとされています。その後も、肝臓や腎臓の働き、血液の状態、アンモニアの値などを定期的に調べることとされています。
出典:デパケン錠100mg/200mg 添付文書(2026年3月改訂 第7版、PMDA 医療用医薬品情報)。
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池川内科・神経内科(愛媛県東温市)では、一般内科・脳神経内科・リハビリテーション科を併設しています。毎週木曜・金曜は脳神経内科専門の担当医による外来を行っています。